タイ
唐辛子をメインに酸味もプラス
インドと同じアジア圏ですが、タイやインドネシアなど東南アジアの国々では唐辛子を使った辛い料理がメインとなります。そこに、レモングラス、ライム、コリアンダーなど酸味や甘味を足して独特の風味を生み出します。
インドと同じく熱帯地方なので、使うスパイスは自己主張の強い個性的なものを好みます。またフレッシュスパイスを多用するのも特徴です。
東南アジアで頻用されるスパイス
- レモングラス
- ガランガー
- 唐辛子
- コブミカンの葉(カフェライムリーフ)
- コリアンダー
- スイートバジル
- ホーリーバジル
- タマリンド
- にんにく
- ライム
- カー・・・など
タイのミックススパイス「ナムプリ」
タイ料理には欠かせないポピュラーな調味料の1つに、海老を発酵させて作る固いペースト「トラシ」があります。そのトラシ、チリ、エシャロット ニンニク などを混ぜ合わすナムプリも、家庭によってバリエーション豊富なミックススパイスです。
スパイスを意識してみる東南アジアの郷土料理
タイのエビのスープ・トムヤムクン
世界的有名なタイの代表的なスープ、トムヤムクン。唐辛子とレモングラス、コブミカン、カーが入り、辛味と酸味、爽やかな香りが特徴です。直訳すると「海老入りの辛味と酸味のきいたスープ」となります。スパイスの他にもナンプラーが多用されるのが東南アジア料理の特徴です。
中国
地方で異なる食文化
広大な敷地面積を誇る中国は、食文化も1つではなく地方によって個性的に発達してきました。
日本でもお馴染みのピリリと辛い唐辛子を多用した四川料理は、内陸のため川魚を使うので生臭さを消すためにも唐辛子やガーリックが使われます。また、北京のような北東部の寒い地方では、スターアニスやクローブなど濃厚で甘辛い味付けを好みます。
海に面した上海では新鮮な魚介類が手に入るため、魚介の風味を生かした海鮮料理が発達しました。また、山と海に囲まれた素材に富んだ広州は、素材の味を活かしてあっさりとした味付けが好まれます。
中国で頻用されるスパイス
- 山椒
- 花椒
- スターアニス
- クローブ
- ジンジャー
- カシア
- シナモン
- リコリス
- フェンネル
- カルダモン
- ブラックペパー
- ナツメグ
- 陳皮
- 唐辛子・・・・など
代表的なミックススパイス「五香粉」
文字通り、五種類のスパイスを使ったミックスですが、「五」には沢山と言う意味もあり、五種類以上のミックスでも五香粉と呼びます。全体に甘くこってりとした風味で中国南部やベトナムで、肉の下ごしらえやマリネなどに使われています。
基本の配合は「四香一辛」で、クローブ、陳皮、シナモンの3種にスターアニスかフェンネルの どちらかを加え、もう1種は辛味スパイスを加えます。家庭によりブレンドはさまざまですが、スターアニス(八角)の味と香りが秀でているのが特徴です。どんな料理に加えても不思議と本格的な中国料理の味になりますが、入れすぎるとくどくなるので注意が必要です。
スパイスを意識してみる中国料理
■Lesson5-4 まとめ■
- タイやインドネシアなど東南アジアの国々では唐辛子を使った辛い料理がメインとなり、レモングラス、ライム、コリアンダーなど酸味や甘味を足して独特の風味を生み出している。
- 使うスパイスは自己主張の強い個性的なものを好み、またフレッシュスパイスを多用するのも特徴である。
- タイ料理には欠かせないポピュラーな調味料の1つ「トラシ」は海老を発酵させて作る固いペーストである。そのトラシ、チリ、エシャロット ニンニク などを混ぜ合わすナムプリも家庭によってバリエーション豊富なミックススパイスである。
- 広大な敷地面積を誇る中国は、食文化も地方によって個性的に発達してきた。
- 辛さが特徴の四川料理は、内陸のため川魚を使うので生臭さを消すためにも唐辛子やガーリックが使われる。
- 北京のような北東部の寒い地方では、スターアニスやクローブなど濃厚で甘辛い味付けが好まれる。
- 新鮮な魚介類が手に入る上海では、魚介の風味を生かした海鮮料理が発達した。
- 広州は山と海に囲まれた素材に富んでおり、その素材の味を活かしてあっさりとした味付けが好まれる。
- 中国の伝統のミックススパイスには五香粉がある。「五」には沢山と言う意味もあり、五種類以上のミックスでも五香粉と呼ばれ、全体に甘くこってりとした風味で中国南部やベトナムで、肉の下ごしらえやマリネなどに使用される。