分類の仕方で変わる数え方
Lesson 2ではハーブとスパイスの定義について学びました。ここではそれをもとに、スパイスの総数を考えていきます。
例えば、胡椒を一つとってみても、白コショウ、黒コショウ、ピンクペッパー、ロングペッパーなどその品種は何十種類もあります。これらは植物学的には同じ種類ですが、使用法は明らかに違います。他にも、唐辛子は交配しやすい植物なので、その品種は1000種を下りません。
同様に、同じ名前のスパイスの中にも、学名で見ると全く別物だというスパイスが少なくありません。原産地が異なればスパイスの成分も変わってきますので、厳密に言えば同じものとは言えないのです。
また、世界に知られていない、限られた場所のみで栽培され現地で消費されて、市場に出回らないスパイス類も数多くありますので、スパイスの総数を知るということは大変困難で、現段階では不明と言えます。
ちなみに、全日本スパイス協会のホームページに掲載されているスパイスは100種類です。エスビー株式会社ホームページには「数百程度」とあります。
実用的なスパイスの数は?
一般に、手軽に手に入り、家庭で使いこなす事ができるスパイスは50種類程度だと言われています。スパイスブックなどにも25~50種類程度のスパイスが紹介されています。
学び始めた段階では、このくらいの数のスパイスをマスターしておけば充分だと言えるでしょう。この数でもしっかり知識として修得し、活用できる人材は貴重ですので、スパイス&ハーブコンサルタントの使いこなせるスパイスの数もこの辺りをまず最初の目標値としています。沢山の数のスパイスの名前を列挙できるよりも、生活に役立ててその素晴らしさを堪能できる事こそ、本当の力を言えるでしょう。
ちなみに、ハーブを含めるとその数はグンと上がり、メディカルハーブの専門的な安全性ブックには710種類のハーブが掲載されていますし、すべてのハーブを数えるならば数万にも上ると言われています。
■Lesson2-6 まとめ■
- スパイスの数え方は、その分類方法により異なるため、現在のところ明確な数は不明である。
- 同じ名前のスパイスの中にも学名で見ると全く別物だというスパイスや、同じ名前でも原産地が異なることでスパイスの成分も変わっているスパイスもある。
- 般に、手軽に手に入り、家庭で使いこなす事ができるスパイスは50種類程度。スパイス&ハーブコンサルタントでは、これくらいの数を使いこなせ生活に取り入れて楽しめることを最初の目標とする。