Lesson 5-2 スパイス郷土料理②アメリカ

多民族国家ならではのスパイスの融合

アメリカの歴史は他の地方より浅いので、独特な食文化は隣国メキシコからの影響を受けています。

メキシコ先住民の料理には、唐辛子とトウモロコシが欠かせませんでした。15世紀、コロンブスがアメリカに到達すると、スペイン料理で使われるスパイスも使われるようになり、唐辛子、パプリカ、オレガノ、ガーリック、クミンなどを混ぜ合わせたチリパウダーが生まれました。アメリカでもメキシコから伝わったチリパウダーを使った料理、テキサス州発祥のチリコンカンなどがあります。

人種のるつぼであるアメリカは世界各国からもたらされたいろいろな民族の料理が相まって、味覚の幅が広がりました。現在ではスパイス会社が考案した秘伝のブレンドのミックススパイスが特許をとり市販されています。アップルパイブレンド、バーベキューブレンド、チキンシーズニングなど、スーパーで売られているものをそのまま使うことができ、大変便利なものです。

 

アメリカ料理に頻用されるスパイス

  • 唐辛子
  • オレガノ
  • クミン
  • オールスパイス
  • ディル
  • クローブ
  • ブラックペパー
  • タイム
  • パプリカ
  • マスタード
  • ニンニク・・・など

代表的なミックススパイス「チリパウダー」

Undergroundarts.co.uk/Shutterstock.com

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チリパウダーは唐辛子のパウダーと混同されがちですが、ミックススパイスの名称です。メキシコ産の赤トウガラシ、カイエンペッパーとオレガノが味の基本となり、クミン、オールスパイス、ディル、クローブなどを好みの量で調合します。

 

スパイスを意識してみるアメリカの郷土料理

ジャンバラヤ

Brent Hofacker/Shutterstock.com

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ルイジアナ州クレオールの料理。味付けにはチリ、ハーブ、マスタード、クミンなどを使ったケイジャンスパイスを使います。

ケイジャンはもともとはカナダインディアンと言う意味ですのでもとはカナダの料理です。カナダに最初に移住したフランス人が、後にイギリス人に追い出され最終的にルイジアナ後に落ち着きます。そこでケイジャン料理が定着しましたが、フランス人の他、ルイジアナ州にいるスペイン系、アフリカ系黒人、先住インディアンの料理が加わって出来たものがクレオール料理(ジャンバラヤやガンボスープ)です。

チリコンカン

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挽肉とタマネギを炒め、そこにトマト、チリパウダー、水煮したインゲンマメ(金時豆、赤いんげん豆やピントビーンズなど)などを加えて煮込んだものが最もよく知られている、アメリカの国民食ともいえるメニューです。

肉は牛肉を中心に、豚肉、鶏肉などでも作られることもあります。仕上げにマサ・アリナとよばれるトウモロコシの粉やオートミールでとろみをつけることが多く、バーベキューソースで味をつけたり、シナモン、コーヒー、チョコレートなどを隠し味に用いることもあります。

 

■Lesson5-2 まとめ■

  • アメリカの食文化は、隣国メキシコからの影響を受けている。
  • アップルパイブレンド、バーベキューブレンド、チキンシーズニングなど、そのまま使うことができるミックススパイスが販売されている。
  • アメリカで良く用いられるチリパウダーはミックススパイスの名称である。
  • チリパウダーはメキシコ産の赤トウガラシ、カイエンペッパーとオレガノが味の基本となり、クミン、オールスパイス、ディル、クローブなどを好みの量で調合する。
  • アメリカのスパイス伝統料理にはジャンバラヤやチリコンカンなどがある。