日本に自生するスパイス類の歴史
日本のスパイスの歴史は縄文時代に遡ります。
各地の縄文遺跡から山椒や紫蘇の実が出土していますし、3世紀頃に中国で書かれた魏志倭人伝に邪馬台国(当時の日本)にミョウガ、ショウガ、シソなどがあったことが書かれています。
712年「古事記」の中には、「蒜(ひる)=ネギ、ニンニク、ニラのこと」や「ハジカミ=山椒やショウガのこと」が登場します。奈良時代になると野生のものだけでなく、栽培もされていたようです。
万葉集にはセリ、ワラビ、ニラ、ヨメナなど数多くの日本のハーブが詠まれており、当時の食生活を知る手掛かりになっています。和風スパイスと呼べる山椒、ワサビ、ショウガは、平安時代にはすでに香辛料として使われていました。
また、戦国時代には保存食として梅干しが食べ物としてだけでなく、疲労回復や食中毒の防止として武士が常備するものとなりました。
日本のスパイス類
ワサビ
清い渓流に育つ日本原産のスパイス。日常的に使うのは日本のみ。
防腐殺菌効果に優れ消化促進効果もある。
ショウガ
3世紀に中国から伝わったショウガは日本の風土でもよく育ち、江戸時代には大衆食品となる。
ニラ
血液循環がよくなり新陳代謝が活発になる。スタミナ補給にも役立つ。
山椒
日本原産のミカン科スパイス。春の木の芽、夏の実山椒、秋の粉山椒と四季に合わせて辛味や香りを楽しめる。
ミョウガ
アジア温帯地方原産だがミョウガを食すのは日本だけと言われる。
タデ
噛むとピリリと辛いタデは解毒作用もあり、鮎の塩焼きなどに添えられる。刺身のつまに見られる赤い芽タデは紅タデの子葉が開いたばかりのもの。
■Lesson6-1 まとめ■
- 日本のスパイスは縄文時代までさかのぼり、各地の遺跡から山椒や紫蘇の実が出土している。
- 万葉集にはセリ、ワラビ、ニラ、ヨメナなど数多くの日本のハーブが詠まれており、和風スパイスと呼べる山椒、ワサビ、ショウガは、平安時代にはすでに香辛料として使われていた。
- 戦国時代には梅干しが保存食として常備されていた。
- 日本のスパイス類には、ワサビ・ショウガ・ニラ・山椒・ミョウガ・タデなどがある。