発酵と乾燥を繰り返すキュアリング法
皆さんはバニラの黒いさやの中に小さな豆が沢山入っているのを見たことがあると思います。アイスクリームやカスタードにあの黒い粒が入っていると、とても高級感がありますね。
しかし収穫直後の緑のさやに、香りはありません。収穫後に発酵と乾燥を繰り返す「キュアリング」により香り成分が生成されて香りがたつようになるのです。
キュアリングには色々な方法がありますが、1例をご紹介します。
- 収穫した熱湯に数分間くぐらせ、暖かいうちに布でくるみ木箱に詰め2日間ほど寝かせます。
- その後昼間は天日干し、夜はまた暖かいうちに布でくるみ木箱に詰めることを数週間繰り返します。
するとさやの中でバニラビーンズの発酵と熟成が進みバニラの香りがたってくるのです。
これは、果実に含まれる配糖体が、発酵作用によってバニリンという芳香成分に変わりさや表面に析出してくるせいです。したがって、表面にバニリンの結晶が多いものほど良品です。
こうした手間のために、バニラはサフランについで高価なスパイスなのです。