Lesson11-1 スパイスプロフィール ア行①

代表的なスパイス50種のプロフィール

ここまで様々な角度からスパイスについて学習してきました。
スパイスの数は本当に数えきれないほどありますが、Lesson11ではその中でもスパイス&ハーブコンサルタントとして押さえておくべきスパイスや特徴的なもの、私達に身近なもの、料理や雑貨としても生活に取り入れやすいもの、使いやすいものを厳選しています。

まず最初にマスターすべきスパイス50選の知識をしっかり深めていきましょう。(後ほど改めて検索・活用しやすいように、50音順に収録してあります。)

 

  • アジョワン
  • アニス

 

①アジョワン

hlphoto/Shutterstock.com

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  • [英名]Ajwain
  • [和漢名]アジョワン
  • [学名]Carum ajowan BENITH
  • [科名]セリ科
  • [原産地]北アフリカ 北アジア
  • [向いている料理]インドカレー。またタイム、セロリシードの代用に。
  • [薬効]精油に含まれるチモールは殺菌力が強いので防腐剤に。消化器系の不調に使う。

 

 インドのカレーパウダーに欠かせないスパイス

Maris Kiselov/Shutterstock.com

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主に精油を採るために栽培されている植物で、香りの主成分は防腐、殺菌効果のあるチモールで精油の40~50%を占める。「チャットマサラ」とよばれる酸味のあるフルーツやサラダによく合うミックススパイスを作る時によく使われる。またインドのカレーパウダーには必ずと言っていいほど配合されている、欠かせないスパイスである。

種子にはタイムに似た芳香があるが、アジョワンの方が幾分刺激的なので、代用する時は量を控えることがポイント。インド以外の国ではなかなか手に入りにくいスパイスである。

スパイス豆知識・インドの家庭の常備薬!

インドの家庭では大変よく使われているスパイスで、薬として用いられることも多く、消化器系の不調に良いとされ常備薬として重宝されている。使用部位は乾燥種子で、インド料理以外であまり使われる事はない。

また、アジョワンは澱粉質の食べ物に使われることが多く、アジョワン入りのナンや、パン、ビスケットなどが作られている。

 

②アニス

MAHATHIR MOHD YASIN/Shutterstock.com

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  • [英名]Anise
  • [和漢名]
  • [学名]Pimpinella anisum
  • [科名]セリ科
  • [原産地]アジア エジプト
  • [向いている料理]甘い香りと粒粒の食感を活かして、パウンドケーキやクッキーなどの焼き菓子やパン、リキュールの香りづけに。
  • [薬効]古くから薬草として注目され健胃剤や去痰剤に利用。駆風、気管支炎、血行障害。子供がこの香りを好む事から、子供用飲み薬にも使われる。インドでは食後の口臭防止に使用

古代エジプト時代から重宝されてきたスパイス

世界各国で使われているスパイスで、古代エジプトではシナモンとカシアが輸入される前は、アニスとクミンがミイラ作りにも使用されてきた。

アニスにはリコリスによく似た甘い芳香成分「アネトール」が80%から90%も含まれるが甘味はない。アネトールはアルコールに溶けやすく、トルコのラキ、フランスのアニゼットなど世界各地でリキュールの香りづけに利用されている。

スターアニスとは別種のスパイス

似ている名前のスターアニスとは別の植物であり、アニスはセリ科の一年草だが、スターアニスは常緑高木である。共にアネトール含有している点では共通点もあり、こちらはフェンネルにも含まれるので代用が可能である。

種子以外も使用され、葉もサラダとして食される。

guentermanaus/Shutterstock.com

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スパイス豆知識・王が独占したスパイス!

9世紀、シャルルマーニュは布令を出し、サン・ガルの修道院で栽培されているハーブは、王の領地ですべて栽培されるべしとした。これによりアニスが全ヨーロッパに広まる事となった。
イギリスでは特に喜ばれ輸出する時は高額の税がかけられた。