- オールスパイス
- オレガノ
- オレンジ
③オールスパイス
- [英名]Allspice
- [和漢名]百味胡椒 三香子
- [学名]Pimenta officinalis Lindley
- [科名]フトモモ科
- [原産地]中南米
- [向いている料理]ミートソース、燻製、マリネ、シチューなどいずれも料理の途中で使う。
- [薬効]優れた抗菌効果と鎮静効果がある。消化促進、リウマチなどにも効く。
マヤインディアンの大切なスパイス
16世紀後半スペイン人の探検家フランシスコ・フェルナンデスによってジャマイカ島で発見された。原産地近くのマヤインディアンは、彼らの王の遺体の周りにオールスパイスをいっぱいに敷き詰めて、香りと共に保存したというエピソードがあるほどに防腐効果があるスパイス。
ジャマイカで生産され、別名「ジャマイカペパー」とも呼ばれている。今でも原産地が中南米のみで世界需要の約3分の2を占めており、アメリカ料理に好んで使われる。
いろいろなスパイスの香りがするスパイス
芳香成分オイゲノール(65~70%)は、ナツメグ、シナモン、クローブと共通し、多くのスパイスの香りがするので中国では三香子と呼ばれ、日本では百味胡椒と呼ばれる。
単独で使うよりもこれらの香りの似ているスパイスと一緒に使うと互いの癖が弱まり、マイルドで深みのある味になる。ポプリの香りのまとめ役に使われる事が多い。
スパイス豆知識・生産地を選ぶオールスパイス!
中南米、西インド諸島でしか生産できないスパイスで1655年にイギリスがジャマイカを占領したのち、イギリス人が他の熱帯の地に植樹を試みたものの、上手く育たなかった。
その後も東南アジアなどで度々栽培が試みられたが未だに成功していない。
④オレガノ
- [英名]Oregano
- [和漢名]花薄荷
- [学名]Origanum vulgare L.
- [科名]シソ科
- [原産地]地中海東部
- [向いている料理]トマトとの相性がよく地中海料理に欠かせない。生もよく使われドレッシングの材料やオムレツに加える。チーズ料理、肉や魚の臭い消しにも。
- [薬効]興奮剤 駆風剤 神経強壮剤 喘息 咳 気管支炎 リウマチ 消化不良 風邪
基本ステイタス
シソ科の多年生草で、もともと原産地の山地やイギリスあたりの牧草地にごく普通に見られるもので、学名のブルガレー「vulgare」とは「普通の」の意味である。フレッシュよりもドライで芳香が増し、風味は開花後のものが最も良いとされる。
マジョラムとオレガノは非常に近縁種で今なお植物学者の間でも意見が一致していないが、芳香成分チモールの量がマジョラムよりも多いので、より強壮的な野生的な香りで甘味と繊細さが少ない。
フレッシュもドライも、使い道豊富なスパイス
生の葉はマジョラム同様そのまま薬味やサラダの付け合わせとして使う事が出来る。レモンと混ぜてドレッシングやオムレツに混ぜても美味しくなる。
乾燥葉はトマト料理には欠かせないハーブで、特に矯臭、脱臭効果が強く肉や魚の臭みを取るのに有効である。セージ、マジョラム、タイムなどと一緒に使うとオレガノのくせが和らぐが、使いすぎると苦味が出るので注意。
スパイス豆知識・オレガノは新郎新婦の幸せのシンボル!
ギリシア語で「山の喜び」の意味のオレガノは、昔から人々の舌を喜ばせてきたことが由来といわれている。この事からオレガノは幸福のシンボルとされ、ギリシアでは婚礼の時、新郎新婦がオレガノの冠を被り、幸せを祈るようになったという。また死後の世界の幸福を願って墓地に植えられたりもした。
⑤オレンジ
- [英名]Orange
- [和漢名]オレンジ 陳皮
- [学名]Citrus sinesis Osbeck.
- [科名]ミカン科
- [原産地]南中国 インド ヒマラヤ地方
- [向いている料理]日本料理や中国料理。牛肉の煮込みの臭みとりに使われる。七味トウガラシやカレーパウダーなどにも配合。
- [薬効]健胃 鎮静 風邪・・・漢方では咳止め、去痰、吐き気止めなどに使われる。
七味唐辛子や五香子作りに欠かせないスパイス
陳皮はみかんの皮を干して乾燥させたものだが、古いものほど薬効に優れているとされているとされている。漢方薬の陳皮が黒ずんでいるのはこれが理由である。
陳皮は本来インド原産のマンダリンオレンジを使用していたが、今ではオレンジ以外の柑橘系も使われ、日本では温州ミカンが使われる。果皮に多くの精油(テルペン、リモネン、ヘスペリジン他)が含まれている。
スイートオレンジよりもビターオレンジの方が陳皮としての薬効に優れている。
自宅でも簡単に作れるスパイス
自分でも果実を食べた後に果皮を乾燥させて簡単に作ることは可能だが、無農薬でノーワックスのものを選ぶことがポイントである。
スパイス豆知識・陳皮で健康回復!
食欲がないときや風邪の引き始めには、陳皮を煎じた汁を飲むと良い。10gを600ccの水で半量になるまで煎じて1日3回にわけて飲む。はちみつを加えてもよく、これは咳や痰にも効果がある。