Lesson 1-5 スパイスの歴史⑤大航海時代

欲望と支配争いの大航海時代

アラブ商人とヴェニス商人によって独占されていたのスパイス貿易でしたが、当時のスパイス貿易がアラブ人とイタリア人に限られていたのを快く思っていなかったのが、ポルトガルやスペインです。

そこで、アラブの商人やイタリアを介さずに、原産地と直接取引しようと考えるようになります。
当時の陸路はアラブ人に握られていましたので、ポルトガルやスペインの冒険者たちは、航路で東を目指しました。

このあたりから、欲望と支配争いの大航海時代が始まります。

 

スパイス原産地探しの航海が始まる

1418年、ポルトガルのエンリケ王子はポルトガル南西部のサグレジュに航海学校を建てました。
また彼とその部下は、東方への新ルート開拓に乗り出した際にアフリカ喜望峰を発見し、熱帯アフリカから様々なスパイスを持って帰る事に成功します。

一方、イタリア・ジェノバ生まれのコロンブスは、スペイン国王の援助を受けてインドを目指して航海に出ました。その航海でアメリカ大陸を発見し、唐辛子やアメリカ原産の野草やスパイスを持ち帰ったことにより、急速に世界に広がってゆきます。

さらにポルトガルのバスコ・ダ・ガマは1498年、インド西岸のカリカットに到着し、スパイスや宝石を船に積んで帰国します。

こうして人々は、今まで知ることが出来なかった地球の未知の場所を開拓してゆき、長く続いた、アラブ人とイタリア人のスパイス独占貿易は崩れ、自由競争により価格が付けられるようになりました。

Everett Historical/Shutterstock.com

バスコ・ダ・ガマ/Everett Historical/Shutterstock.com

 

■Lesson1-5 まとめ■

  • アラブ人とイタリア人にスパイス貿易を独占されることを快く思わなかったポルトガルやスペインが、原産地と直接取引しようとしたころから欲望と支配争いの大航海時代に突入していく。
  • ポルトガル・・・東方への新ルート開拓に乗り出した際にアフリカ喜望峰を発見、熱帯アフリカから様々なスパイスを持って帰る事に成功する。
  • スペイン・・・イタリアジェノバ生まれのコロンブスは、スペイン国王の援助を受けてインドを目指した航海でアメリカ大陸を発見し、唐辛子やアメリカ原産の野草やスパイスを持ち帰った。
  • ポルトガル・・・バスコ・ダ・ガマは1498年、インド西岸のカリカットに到着し、スパイスや宝石を船に積んで帰国する。
  • この大航海時代の到来により、アラブ人とイタリア人のスパイス独占貿易は崩れ、自由競争により価格が付けられるようになった。