Lesson 3-4 スパイスの働き④その他の働き

スパイシーという言葉があるように、「スパイス=辛いもの」と思われがちですが、スパイスの中には辛味だけでなく、甘味や苦味を出すものもあります。

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呈味成分

辛味や酸味、甘味、渋味や苦味など、味を感じる成分を「呈味(ていみ)成分」と呼びます。甘味を感じるスパイスは特に、私達の生活の身近なところに溢れています。

甘味を感じるスパイス

例えば、お菓子作りに使われるスパイス類には甘味のあるものが多く用いられます。アニスやフェンネルなどに甘味が含まれます。他にもリコリスや、ステビアなど砂糖の代用品となるものもあります。

また、バニラやシナモンなど、口に含むと苦味を感じるけれども、甘味を連想させる香りを持つスパイスも存在します。

これは、日常生活で経験している、味と香りの組み合わせが強固なイメージとなって脳に記憶されていることから起こる現象です。その証拠に、鼻をつまんで食事をすると、美味しいと感じる事が出来ません。鼻炎などで鼻が利かない状態で料理をすると、どうしても味付けが濃くなったりしませんか?

このように、香りと味、嗅覚と味覚の関係は非常に密接なものなのです。

バニラの鞘とバニラビーンズ/GoncharukMaks/Shutterstock.com

バニラの鞘とバニラビーンズ/GoncharukMaks/Shutterstock.com

 

 苦みを感じるスパイス

また、苦味成分に関しては、お料理に使うスパイス類には非常な苦味のあるものは使われません。美味しさを追及するのがスパイスですから、苦くてまずいものは含まれないのです。

対して薬効成分を求めたメディカルハーブ類には、苦味質のハーブが非常に珍重されています。ですから、スパイスの中の苦味は、美味しさの奥で僅かに感じる微苦味のものだけに留まります。

メディカルハーブに用いられるダンデライオンは苦みの強いメディカルハーブです

メディカルハーブに用いられるダンデライオンは苦みの強いメディカルハーブです

 

■Lesson3-4 まとめ■

  • スパイスの中には辛味だけでなく、甘味や苦味を出すものもある。
  • 辛味や酸味、甘味、渋味や苦味など、味を感じる成分を「呈味(ていみ)成分」と呼ぶ。
  • お菓子作りに使われるスパイス類にはアニスやフェンネル甘味のあるものが多く用いられる。
  • リコリスや、ステビアなど砂糖の代用品となるスパイスである。
  • バニラやシナモンなど、口に含むと苦味を感じるけれども甘味を連想させる香りを持つスパイスも存在する。これはバニラやシナモンの香りがする甘いお菓子など、味と香りの組み合わせが強固なイメージとなって脳に記憶されていることから起こる現象である。
  • 香りと味、嗅覚と味覚は非常に密接な関係にある。
  • お料理に使うスパイス類には苦みを強く感じるスパイスは用いられない。
  • 薬効成分を求めたメディカルハーブ類には、苦味質のハーブが非常に珍重されている。