日本のカレーが、本場と言われるインドなどのカレーと異なることは多くの人が知っています。では、これはなぜだかご存知でしょうか。
じつは、日本のカレーはイギリスから伝えられたからなのです。
イギリスのルウ
カレー粉とカレールウは別物です。
ルウはフランス語のroux、小麦粉と油脂を炒めたもので、スープ類のとろみづけ(つなぎ)として使うものを指す料理用語です。ですから、ルウはカレーだけではありません。
ブラウンルウやホワイトルウは、欧米諸国の料理には欠かせないルウです。ブラウンはビーフシチューやハヤシライス、ホワイトルウはホワイトシチュー、グラタンなど幅広い料理に使用できます。
カレーの本場インドのカレースパイス
日本ではおなじみのプラスチックに入った固形のカレールウですが、インドのカレーではこのようなルウを使う事はありません。さらに、インドではカレー粉のようなミックススパイスを使う事はなく、それぞれ単品のスパイスを具材や体調を見ながら、十数種類のスパイスを毎日1つ1つ混ぜながらカレーを作ります。
18世紀に、カレーをインドからイギリスに持ち帰った東インド会社の社員は、あらかじめ複数のスパイスを混ぜ合わせたカレー粉を作り、さらに小麦粉でとろみをつけるようになりました。
日本にカレーを伝えたのはインドではなくイギリスだったので、イギリススタイルのカレーが広まったのです。
■Lesson4-4 まとめ■
- 日本のカレーはイギリスから伝えられたため、カレールウを用いるイギリスのスタイルが広まった。
- インドではカレー粉のようなミックススパイスを使う事はなく、それぞれ単品のスパイスを具材や体調を見ながら、十数種類のスパイスを毎日1つ1つ混ぜながらカレー作る。