植物のいろいろな部位を使ってスパイスは作られています。
スパイスをより上手に使いこなすには、その種類や形態を理解しておくことが大切です。スパイスの個性を知ると、自由自在に自分好みのスパイスブレンドを作ることが出来ます。
Lesson 2 では、一括りでスパイスと呼んでいるものを、形態、科名、利用部位によって細かく分類して見ていきましょう。
形態によって分類する
スパイスの香りは揮発性成分の精油の香りです。揮発してしまうので、細かくすればするほど香りは飛びやすくなります。
スパイスの効能や香りをもっとも引き立たせることができる理想的な使い方は、使う間際にホールをすり潰したり挽いたりして、その都度新鮮な香りを立たせることです。しかしミックススパイスを作りたい場合は、ホールのままでは計量が面倒なこともあり、パウダー状のものを合わせたものも多くあります。こちらは使い勝手としてはとても便利です。使い方に合わせてスパイスの形状も工夫してみて下さい。
ここでは、その形態による分類を、わかりやすい胡椒で見ていきましょう。
①ホール
英語でwhole (丸ごと) の意味。スパイスやハーブを原型のまま乾燥させたもの。
揮発性の香りがそのまま残っているので長期保存向き。賞味期限は3年。
胡椒などは粒のまま保存し、ペパーミルを使って料理の直前に挽くようにすると、瓶に入った粉末タイプの市販の物よりも香りが良い。
また、噛んだ時の食感や香り立ちをアクセントとして生かす目的で使用されることもあり、パンやケーキに入れ込むこともある。
②粗挽き
ホールのスパイスを荒めに挽いたもの。
比較的香りが出やすい。調理向き。ホールとパウダーの中間なので、下ごしらえ、調理中どの段階でも使用できる。パウダーよりも加熱による風味がそこなわれにくい。
③パウダー
ホールを粉末状に挽いたもの。
香り立ちは早いが、香りが飛びやすいので賞味期限はホールよりも短く、通常2年程度。
下味をつける時や、料理の初めと仕上げや食事中に使用する。
計量しやすいのでミックススパイスを作る際には便利。
④ミックス
複数のスパイスを混ぜたもの。
単独で使った時とは違ったスパイス同士の良い所を引き立たせ、まろやかさや香味が生まれる。またクセを消す効果もある。
ミックススパイスの代表はカレー粉だが、世界中で独特の伝統的ミックスレシピが存在する。
また、上記の分類はドライスパイスに限ってありますが、フレッシュと呼ばれる生の植物を使う場合は、この他、ペースト、液体などの形態もあります。
■Lesson2-1 まとめ■
- スパイスは植物のいろいろな部位を使って作られているため、より上手に使いこなすにはその種類や形態を理解しておくことが大切。
- スパイスの香りは揮発性成分の精油の香りであり、細かくすればするほど香りは飛びやすいという特性を持つ。
- スパイスの効能や香りをもっとも引き立たせる理想的な使い方は、使う間際にホールをすり潰したり挽いたりして、その都度新鮮な香りを立たせることである。
- ホール・・・英語でwhole (丸ごと) の意味でスパイスやハーブを原型のまま乾燥させたもの。
揮発性の香りがそのまま残っているので長期保存向きであり、賞味期限は3年程度である。 - 粗挽き・・・ホールのスパイスを荒めに挽いたもので比較的香りが出やすく調理向きである。パウダーよりも加熱による風味がそこなわれにくいのが特徴である。
- パウダー・・・ホールを粉末状に挽いたもので香り立ちは早いが、香りが飛びやすいので賞味期限はホールよりも短く、通常2年程度である。下味をつける時や、料理の初めと仕上げや食事中に使用し、計量しやすいのでミックススパイスを作る際には便利である。
- ミックス・・・複数のスパイスを混ぜたもで、単独で使った時とは違ったスパイス同士の良い所を引き立たせ、まろやかさや香味が生まれたりクセを消す効果もある。代表的なカレー粉以外にも世界中で独特の伝統的ミックスレシピが存在する。
- フレッシュと呼ばれる生の植物を使う場合は、この他、ペースト、液体などの形態もある。