- クローブ
- コリアンダー
⑬クローブ
- [英名]Clove
- [和漢名]丁子(チョウジ)百里香
- [学名]Syzygium aromaticum Merrill et Perry
- [科名]フトモモ科
- [原産地]モルッカ諸島(インドネシア)
- [向いている料理]賦香、矯臭効果があるのでひき肉料理に適しているが、使いすぎると料理が台無しに。焼き菓子にパウダーを少量加えてバニラの引き立て役に。
- [薬効]精油は歯の痛みどめや歯磨き粉に使用。鎮痛、咳止め、腹痛、胃腸の冷え改善。急性腸カタル、鼻炎、口臭予防、眠気防止、防腐作用
南国のエキゾチックな強い香りのスパイス
釘を連想させる形をしているので、フランス語で釘を意味するClouに由来している。日本語の「丁子」も同様である。また、遠く離れていても香りがわかるため百里香ともいわれる。
スパイシーな強い刺激と甘い香りを持ち、一粒噛むと苦味と辛味が感じられ舌がしびれるほどの刺激がある。精油成分はオイゲノールとアセチルオイゲノール(75-90%)、その他カリオフィレン(5-12%)ケトン、バニリン、フルフラールを含む。
シルクロードを渡って日本に持ち込まれたスパイス
クローブは熱帯に育ち10mにもなる大木で、利用部位は花のつぼみである。
ヨーロッパでは肉野菜だけでなく菓子にまで幅広く使用され、インドネシアではタバコに使われている。日本では奈良の正倉院にシルクロードを渡って中国から奉納された薬物にクローブが見られ、また平安時代に武士の香道で重用された香りである。出陣の際には兜に香をたきしめたと言われる。
クローブ使用のポイント
香りが強烈なので量に注意し、他のスパイスとブレンドして使ったり、加熱で香りを弱めれば上手に使う事が出来る。
単独では好き嫌いのあるクローブは実はウスターソースやとんかつソースの主要成分で日本人に意外になじみが深いスパイスである。
スパイス豆知識・クローブ煙草が大人気!
インドネシアでは19世紀後半、中部ジャワの喫煙家が手巻煙草にクローブを混ぜ合わせる事を考案し、このクローブ煙草(がラム煙草ともいう)は現在でも非常な人気を誇っている。
全世界のクローブ生産量の約半分がこの煙草に消費されている。その為インドネシアはクローブ主要生産国だが大量輸入国でもある。
⑭コリアンダー
- [英名]Coriander
- [和漢名]コエンドロ
- [学名]Coriandrum sativum L.
- [科名]セリ科
- [原産地]南ヨーロッパ 地中海沿岸
- [向いている料理]
葉・・香菜と呼ばれ、そのくせのある匂いは食べ慣れない日本人には好き嫌いが分かれるが、東南アジアからインドにかけては常食されている。タイ料理、中国料理で頻用される。
種子・・カレーパウダー、チリパウダーの主成分。肉、魚、豆料理に多用される。ピクルスやカレー料理。パウダーをひき肉の臭みけしに。単独で使いすぎない事。相性が良いスパイスはアニス、カルダモン、クローブ、シナモン、ナツメグ、セージなど。 - [薬効]健胃 駆風 去痰 解毒作用 抗菌作用
葉と種子でまったく異なる使用をするスパイス
南ヨーロッパを原産とするセリ科の一年草で聖書にも登場する古い歴史を持つ。現在では世界各地で広く栽培されている。
スパイスとしては種子を用いるが、東南アジア諸国では葉を薬味として使う。その香りは葉と種子では全く異なり、完熟した実はアニスのような、あるいはレモンとセージをあわせたような芳香を持つ。産地により粒の大きさや芳香成分リナロール臭の強弱があるが、一般的に小粒の方が香味が強い。
カレーに使う時は炒ってから挽いて使うと香りがよくなる。また、薬味としての生のパクチーはベトナム料理にも欠かせない。
スパイス豆知識・今女性が大注目・パクチー専門店!
日本ではスパイスとしてのコリアンダーよりも生のパクチーの人気が高く、専門店が多数出店している。
パクチーの人気の秘密はそのデトックス効果が高さにある。そのままサラダにして食しても良いが、ミントの変わりに用いたパクチーモヒートや、スムージーに入れて楽しむこともできる。