- ローズマリー
- ローレル(ベイリーブス)
49・ローズマリー
- [英名]Rosemary
- [和漢名]マンネンロウ
- [学名]Rosmarinus officinalis L.
- [科名]シソ科
- [原産地]南ヨーロッパ 地中海沿岸
- [向いている料理]肉のロースト ラムチョップ スペアリブ ソテー 煮込み 魚介のグリル マリネ 焼き菓子 果物のデザート ジャガイモ料理 ピザやパン生地の香りづけ
- [薬効]精神安定 消化促進 頭痛 風邪 細胞活性 駆風 鎮痛 疥癬 インフルエンザ リウマチ
万能な代表的ハーブ系スパイス
原産地は地中海沿岸のシソ科の常緑灌木。品種は立性、ほふく性、半立性の3種でさらに花の大きさ、色、葉の大きさなどで様々な品種がある。
古代ギリシアではローズマリーは頭脳を明晰にし記憶力を良くすると信じられてきた。そのため当時の学生はローズマリーの花を髪飾りにしたと言われる。
これはあながち迷信ではなく、ローズマリーの香りはかなり強力で、精油成分(ボルネオール8-15%、シネオール17-30%)には、精神安定、脳の働きを強化する効果が認められており、最近では痴呆症にも有効という結果が発表されている。
また外用でも「若返りのハーブ」と呼ばれるほどで化粧水やヘアケアなどコスメで使える代表的なハーブ。
肉料理、ジャガイモ料理と抜群の相性
使用部位は松葉に似た葉の部分で、フレッシュは若枝ごと料理に使える。肉料理の臭みを消すのに最適で、大きな肉のかたまり全体にローズマリーを貼り付けてローストしたり、ジャガイモ料理、魚介料理など幅広く利用できる。
また、油脂に対し強い抗酸化作用があり、中でも豚肉の脂肪に対する抗酸化作用が強いため豚肉料理に用いると発癌物質の生成を抑制する効果も期待できる。
スパイス豆知識・ハンガリー王妃若返りの水
高齢だったハンガリー王妃がローズマリーを使った化粧水を使った所みるみる若返り、若いポーランド王に求婚されたという逸話があり、この化粧水をハンガリアンウォーターと呼ぶ。レシピは様々な種類が伝えられている。
50・ローレル(ベイリーブス)
- [英名]Laurel / Bay leaves
- [和漢名]月桂樹 ローリエ ベイリーブ
- [学名]Laurus nobilis L.
- [科名]クスノキ科
- [原産地]地中海東部 西アジア
- [向いている料理]ブイヨン ブーケガルニ ガラムマサラ スープ シチュー ポトフ カレー ブイヤベース 肉・魚料理 野菜の煮物 ジャガイモ料理 肉や魚の臭みけし パテ テリーヌ
- [薬効]矯臭 健胃 リウマチ 関節痛 疥癬 神経痛 鎮痛
月桂樹として日本人にも有名な万能スパイス
ローレルはフランス名、ベイリーブスは英名である。地中海一帯を原産とするクスノキ科の常緑樹。日本でも月桂樹の名で知られ庭木などに利用される。葉に清々しい芳香があるが、生葉は苦味が強く青臭さもあるので料理には乾燥葉が使われる。
日本ではシチューやポトフなどの煮込み料理の香りづけとして知られるが、ヨーロッパではマリネやピクルスの液、ソースの素材にと様々な場面で利用されている。長く加熱すると苦味が出るので、煮込み終わったら取り出しやすいようにホールでの使用が基本となる。パウダーを使うと若干苦味が出るが、レバーなど内臓料理には抜群の矯臭効果を発揮する。
ローレルの芳香成分(シネオール45-50%、オイゲノール、リナロール、ゲラニオール、ピネン、フェランドレン)は香水の原料にもされ、若葉の方が精油の含有率が高い。鎮痛作用があるのでリウマチ、神経痛、捻挫などに有効とされている。
葉はちぎってから使う
精油成分は細胞内にあるため、使用の際は折ったりちぎったりして香りを放出させるとよい。また香りは油に溶けやすいので、材料を炒める時点で加えた方が効果的である。
精油には虫よけの効果があり、ヨーロッパでは古くから穀物の虫よけに使われてきた。唐辛子同様、米櫃や小麦粉の保存容器に1、2枚を入れておくと良い。
またリースやポプリなどの家の装飾にもよく使われている。
スパイス豆知識・月桂冠は勝者の証!
月桂樹の葉は古代ギリシアローマ時代から英知と栄光のシンボルとして親しまれ、オリンピック勝者や偉大な詩人にはこの葉で編んだ月桂冠が与えられた。他にも魔除けなど昔から数多くのエピソードを持つスパイスである。