Lesson12では、今まで学習してきた知識を活用して作る、ミックススパイスの知識を学習していきます。また、自家製のミックススパイスを使ったレシピも合わせて修得していきましょう。
生活のなかで実践できる知識は役立ち、なにより美味しい料理は作っていても食べていても楽しいものです。スパイスハーブコンサルタントとして、おもてなしにも活用できます。
カレーパウダーでキーマカレー(インド風挽肉カレー)
カレーの本場インドでは、カレーは毎日、家庭ごとに好みや体調などに合わせてスパイスを1種類ずつ調合していきます。ここでは代表的なレシピを紹介しましょう。
STEP1.始めにガラムマサラのミックススパイスに挑戦!
カレーパウダーの中には、インド料理で非常によく使われるミックススパイス「ガラムマサラ」が必ず小さじ1程度入っています。この「ガラムマサラ」は、母から娘へと伝承するいわば「おふくろの味」です。
カレーに使う他にも、から揚げ肉の下味を付けたり、ピラフや炒め料理、ヨーグルトに混ぜて温野菜と和えたり、ドレッシングなどにも使うことができる便利なミックススパイスです。インドでは肉用、魚用、野菜用、豆用と使い分けていますが、どの料理にも少量ずつしか使用しないため、一度にまとめて作り置きしておくと便利です。
ガラムマサラの基本的レシピ
材料
- クミン 50g
- クローブ 20g
- ブラックペッパー 20g
- シナモン 10g
- カルダモン 10g
- ローレル 20枚
ポイント
- 焦がさないように炒ってから使用すると香りが引き立ちます。
- 料理の仕上げの段階で少量入れるものなので火を通すスパイスは基本的にブレンドしません。
- 料理に入れすぎてしまった場合は、長く火にかけましょう。揮発するので香りが少し治まります。
ガラムマサラバリエーション①
スパイスを少しチェンジするだけで、風味やテイストが変わったガラムマサラを簡単に作ることができます。アレンジのバリエーションとして挑戦してみましょう。
ガラムマサラバリエーション①
- クミン 50g
- クローブ 15g
- ブラックペッパー 20g
- シナモン 15g
- ローレル 5枚
- ナツメグ 15g
- コリアンダー(種子) 25g
ガラムマサラバリエーション②
- カルダモン 20g
- シナモン 20g
- ブラックペッパー 20g
- メース 10g
- クローブ 10g
この他にも、キャラウェイ、ジンジャー、フェンネルシードなども使われます。ガラムマサラに作り方の決まりはありません。あなた好みのブレンド見つけ、スパイスハーブコンサルタントオリジナルガラムマサラをプレゼントしても喜ばれますね。
STEP2.カレーパウダーを好みに合わせて調合!
カレーパウダーは、具の材料や、食べる人の好みに合わせて①辛味②香り③着色のスパイスからそれぞれ選んでブレンドします。
①辛味
- レッドペッパー
- カイエンペッパー
- ブラックペッパー
- ショウガ
- マスタード・・・など
②香り
- クミン
- フェネグリーク
- フェンネル
- シナモン
- スターアニス
- セージ
- タイム
- クローブ
- ナツメグ
- カルダモン・・・など
③着色
- ターメリック
- パプリカ
- レッドペッパー・・・など
コリアンダー種子は香りづけにもなりますが、カレーのとろみづけのために大量に使用します。また、市販のカレールーに自分で作ったカレーパウダーを加えるだけで、本格的なカレ―の味にグレードアップさせることができますでので、まずはそこから初めてみてもよいでしょう。
基本のカレーパウダー
中辛のカレーブレンドで、カレーパウダーを使うような料理ならどんなものにも使用できる優秀なスパイスです。
材料
- 乾燥した赤唐辛子 6個
- コリアンダー種子 25g
- クミン 小さじ2
- マスタード種子 小さじ1/2
- ブラックペパー 小さじ1
- フェネグリークの種 小さじ1
- 生のカレーリーフ 10枚
- ジンジャーパウダー 小さじ1/2
- ターメリックパウダー 大さじ1
作り方
- 赤唐辛子の種を取り除き、カレーリーフ、ドライジンジャー、ターメリック以外の全ての材料を中火でこんがりと色が付くまで(焦がしてはいけません)かき混ぜながら炒る。
- 冷めてからパウダー状になるまですりつぶす(またはミルにかける)。
- カレーリーフは別にフライパンで数分煎ってすりつぶし、すべての材料を合わせてよくかき混ぜる。
カレーパウダーバリエーション
辛さは赤唐辛子の量で調節しましょう。コリアンダー種子とクミン、ターメリックの量を変えなければ、他のスパイスは変更可能です。全てをそろえようとするとハードルが高くなってしまうため、まずは手に入るものでオリジナルミックスを作ってみましょう。
STEP3.手作りスパイスでキーマカレーを作ろう!
長時間かけて煮込んだ方が美味しいカレーと比べ、ひき肉や玉ねぎなどでサッとできるキーマカレーは、食べたい時にいつでも作れるため挑戦しやすいレシピです。
ヒンドゥー教やイスラムの禁忌のため、牛肉・豚肉を使ったキーマカレーは少数派で、マトンや山羊肉、鶏肉が使われることが大半です。今回は日本向けレシピとして馴染みがある牛肉を使ったレシピで作ってみましょう。もちろん、本場のように鶏肉やマトンのキーマカレーに挑戦してみるのも良いですね。
キーマカレーレシピ
材料(4-5人分)
- 牛ひき肉 300g
- 玉ねぎ 2個
- トマト 2個
- クミン 小さじ1
- ショウガ 4cm
- ニンニク 1片
- グリーンピース 1缶(50g)
- ガラムマサラ 小さじ1
- オリジナルカレーパウダー 大4
- 塩 サラダ油 少々
- 水 カップ3
作り方
- フライパンに油をひき、みじん切りにした玉ねぎとクミンをきつね色になるまで炒め、細かく切ったトマトを加えて弱火で10分煮詰める。
- カレーパウダーを弱火で炒っておく。
- ①と②と、すりおろしたショウガとニンニクを良く混ぜ合わせ、牛ひき肉と2/3量のグリーンピースを加えてよく炒める。
- カップ3の水を加え、塩で味付けして40分ほど煮、ガラムマサラを加える。
- 器に盛り、残りのグリーンピースを上から散らす。
■Lesson12-1 まとめ■
- ガラムマサラ」は、インドでは母から娘へと伝承するいわば「おふくろの味」的スパイスである。カレーの他、から揚げ肉の下味、ピラフや炒め料理、ヨーグルトに混ぜて温野菜と和えたり、ドレッシングなどにも使用できる。
- ガラムマサラの基本スパイスとして、クミン、クローブ、ブラックペッパー、シナモン、カルダモン、ローレルなどが用いられる。
- アレンジとしてナツメグやコリアンダー、メース、クローブ、キャラウェイ、ジンジャー、フェンネルシードなどをプラスしてオリジナルのガラムマサラを作ることもできる。
- カレースパイスは①辛味②香り③着色のスパイスからそれぞれブレンドするのが基本。
- コリアンダー種子は香りづけにもなるが、カレーのとろみづけのために大量に使用する。辛さは唐辛子で調整する。
- コリアンダー種子、クミン、ターメリックの量を変えなければ、他のスパイスは自由にアレンジも可能である。
- ヒンドゥー教やイスラムの禁忌のため、牛肉・豚肉を使ったキーマカレーは少数派。マトンや山羊肉、鶏肉が使われることが大半である。