Lesson7-1 スパイスの薬効成分

キッチンファーマシーとは、「台所薬局」という意味です。スパイスは、味付けだけでなく、さまざまな薬効が認めらており、ナチュラルなホームメディカルとして活用する事が出来ます。

Lesson7では、香りや辛味成分のもつ健康パワーを学んでいきましょう。

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スパイスの効能はホリスティック

スパイスはの効能はホリスティックだと言われます。単一成分で構成されている西洋の白い薬とは違い、スパイスに含まれている多様な成分が互いに相乗効果を発揮するのです。

ジンジャーを例に挙げてみましょう

ジンジャーを①精油②メディカルスパイス③食品という3つの視点から見てみましょう。

ジンジャーの精油はシネオール鎮静、食欲増進、消化促進作用があります。
メディカルスパイスとしては、ジンジャーの根には辛味成分ジンゲロールやショウガオールが含まれ、強い殺菌作用があり、風邪や呼吸器系の疾患、腎臓、二日酔いなどに効きますし、脂肪の多い食品の消化促進作用もあります。
そして、食品としてのジンジャーはビタミンやカリウムなどの栄養素を含んでいます。

以上のように、スパイスの薬効は、様々な要素が複合的に効果を発揮している所がケミカルと大きく違う点です。

 

スパイスの効能の例

例えば、マスタードには身体を温める作用があるので、風邪や呼吸器系の疾患や筋肉痛に良いとされています。その他、唐辛子に含まれているカプサイシンにも血液循環を促す作用があるので、昔から筋肉痛の塗り薬に唐辛子が使われてきました。

消化促進を助けるスパイスは沢山あり、代表的なものは、アニス、フェンネル、ディル、キャラウェイなどで、その他にもアジョワン、カシア、セロリシード、唐辛子、クミン、マスタード、ペパーなどがあります。

シナモンはエジプトでミイラづくりに欠かせない材料であったほどの、防腐、抗菌作用があります。他にもアニス、クローブなどに抗菌、殺菌作用があり、咳止めや腹痛の薬に使われてきました。

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精油による薬効成分については、Lesson8食用以外のスパイス活用法で学習しますが、スパイスから取り出した精油の中には、薬効成分が濃縮して含有してありますので、アロマテラピーは、より手軽に効率よくスパイスの効能を使用できる方法と言えます。

 

■Lesson7-1 まとめ■

  • 単一成分で構成されている西洋の白い薬とは違い、スパイスは含まれている多様な成分が互いに相乗効果を発揮する。スパイスの薬効は、様々な要素が複合的に効果を発揮している所がケミカルと大きく違う点である。
  • マスタードには身体を温める作用があり、風邪や呼吸器系の疾患や筋肉痛に良いとされている。
  • 唐辛子に含まれているカプサイシンにも血液循環を促す作用があり、昔から筋肉痛の塗り薬に用いられた。
  • 消化促進を助けるスパイスにはアニス、フェンネル、ディル、キャラウェイ、アジョワン、カシア、セロリシード、唐辛子、クミン、マスタード、ペパーなどがある。
  • シナモンは高い防腐、抗菌作用があり、エジプトのミイラ作りにも用いられた。
  • アニス、クローブなどに抗菌、殺菌作用があり、咳止めや腹痛の薬に使われてきた。