- バジル
- パセリ
- バニラ
34・バジル
- [英名]Basil
- [和漢名]メボウキ
- [学名]Ocimum basilictm L.
- [科名]シソ科
- [原産地]インド アフリカ
- [向いている料理]バジルペーストピザ 魚介類のトマト煮パスタ サラダ スープ 煮込み
- [薬効]強壮 殺菌 神経障害 リウマチ 頭痛 消化促進 鎮痛 鎮咳 虫刺され 通経 口内炎
バジルの基本ステイタス
原産地は東南アジアからアフリカで、インドではヒンズー教の神であるヴィシュヌシ神に捧げる植物として大切にされてきた歴史を持つバジルは、シソ科のスパイス特有の高貴で爽やかな強い芳香(シネオール、リナロール、メチルシャビコール、アネトール)があり、オレガノとの相性が良く地中海料理で大変好まれるスパイスである。
日本に渡ってきたのは江戸時代で、日本名メボウキと言われる。その由来は、種を水に浸して表面がゼリー状になったものを目を洗うのに使っていたためだとされている。
フレッシュを使うバジルペースト
バジルはフレッシュで使用することが多く、松の実やチーズと共にすり潰したバジルペーストはパスタや肉とあえたりドレッシングなど幅広く使用することができる。フレッシュは刻むと芳香成分が揮発してしまうので食べる直前に刻むのがポイント。
また、加熱すると風味が悪くなるので熱い料理には食卓に出す直前に加えるとよい。
イタリアのトマト料理には欠かせないスパイス
バジルと言えばトマト、トマトとバジルといえばイタリア、と連想できるほどイタリアのトマト料理には欠かせない存在で、スパイスの郷土料理①ヨーロッパでも学んだように、多くのレシピがある。
パスタやトマト料理以外にも、天ぷらなど非常に多くの食材や料理と相性が良いのも特徴で、ソルベやケーキともマッチする万能な香辛料である。
バジルは栽培種が多いが料理に使われるのは主に、イタリアでバジリコとよばれるスイートバジルとタイ料理に使うホーリーバジルの2種類が大部分を占める。
スパイス豆知識・キリスト復活の日!
キリスト復活の後、キリストの墓の周りにバジルが生えたという伝説があり、そのためギリシア正教の教会では今でも祭壇の下にバジルを入れた壺を置く。
35・パセリ
- [英名]Parsley
- [和漢名]オランダセリ
- [学名] Petroselinum sativum Hoffman
- [科名]セリ科
- [原産地]地中海地方
- [向いている料理]ブーケガルニ 肉や魚の臭いけし パスタ サラダ スープ シチュー
- [薬効]貧血 口臭防止 利尿作用 血液浄化 肝臓障害 下痢 虫刺され 切り傷 捻挫
パセリの基本ステイタス
日本では明治の初めにオランダから渡来したと言われオランダぜりと呼ばれていた。日本で多く見られるのは葉が縮れているパナマウント種で、これは世界各地で広く栽培されている。
使用部位は葉で、生でもドライでも使用できる。乾燥パセリは生の物より色は落ちるが、ドレッシング、スープやシチューの仕上げに振り掛けるだけでも料理が引き立つ。
イタリアンパセリは葉がチャービルやコリアンダーに似ており、その名の通りイタリア料理によく使われる。繊細な見た目は西洋料理の飾り付けに適している。
実は豊富な栄養素を持つスパイス
パセリは世界的に利用されているにも関わらず、日本ではもっぱら料理に添えられるだけで食しない人も多いため、「もっとも可哀想な野菜」として特集されたこともある少々悲しいエピソードのあるスパイスである。料理の付け合わせ、完全なる料理の脇役の印象が強いが、実は豊富な栄養価を持つ。
パセリの葉は鉄分、ヨウ素、ミネラル、ビタミンA・cなどの栄養素が豊富に含まれビタミンB群、カルシウムも含まれており、またその濃い緑にはアンチエイジングやデトックスには書かせないクロロフィルが豊富で、スムージーやデトックスジュースの優秀な食材である。
スパイス豆知識・古代人は医薬用に使用!
古代ギリシャの人々とってパセリは主として医薬用に用いられ、ホメロスの詩によれば軍馬に与える餌でもあった。
これを食卓に乗せるようになったのはローマ帝国の人々で、ローマ人はパセリを沢山食べ、宴会の際にはパセリのガーランドを飾った。悪酔いを防ぎ悪臭を中和すると考えられていたからである。実際、パセリに含まれるアピオールという芳香成分は、食中毒の予防や、口臭の防止効果があるといわれている。
36・バニラ
- [英名]Vanilla
- [和漢名]
- [学名]Vanilla planifolia Andrews
- [科名]ラン科
- [原産地]メキシコ 中央アメリカ
- [向いている料理]チョコレート アイスクリーム カスタードクリーム ケーキ クッキー プリン
- [薬効]矯味 矯臭 生理不順 熱病
アイスクリームで馴染みのある香り
バニラは熱帯に自生するラン科のつる性植物。樹木に巻き付いて成長し、時には10mを超える長さになる。ランに似た花をつけ、20cmほどの豆のさやのような果実を結実し、その中に小さな種が入っている事からバニラビーンズと呼ばれる。
メキシコで遠い昔から珍重されており、今ではアイスクリームやチョコレートの甘いフレーバーとして誰でもが知っている香りである。スパイスコラム10で学習したように、本物ののバニラは加工に大変な手間と時間がかかるためとても高価だが、今でも世界中で愛されているスパイスである。
バニリンの合成により安価に手に入るように
香りの主成分はバニリン2-27%でその他にアルデヒド、アニスアルコールなどを含む。バニラは摘み取っただけでは何の香りもしないが、湯煎と乾燥を繰り返し発酵させることによってバニリンがさやの表面に結晶となって付着することにより芳香する。この収穫と加工に非常な手間がかかるので高価なスパイスとなる。
バニラの香りを安価に使用したい場合には化学合成されたバニラエッセンスを使用することもできるが、天然バニラは以前として人気があり需要が高いため、以前として高価なままである。
使い方のポイント
バニラはチョコレートと共にヨーロッパに伝えられた。
胃薬的な効果はほとんど認められていないがバニラの芳香は甘味を高め、苦味を弱める傾向があるので使い方次第で砂糖の量を控える事が出来る。バニラエッセンスは加熱すると香りが揮発するため、ケーキなどの焼き菓子にはバニラオイルを、アイスクリームやドリンクなど加熱しないものにはバニラエッセンスを使うと良い。
スパイス豆知識・天然物は何回も使える!
天然のバニラのさやは、ミルクやソースに浸して香りづけした後も洗って乾かせば何度でも使えるため、少々高価でもホールで買っておく価値が充分にある。